Web会議時に画面を見るだけで話し相手に自然と視線を向けられるようにモニタの上にWebカメラを置いています。これはよくある配置でしょう。あえて工夫をいえば、少し画面を遠くに配置していることぐらいでしょうか。
ところがWeb会議システムの違いや画面共有などで話し相手が画面の左右どこに表示されるか(=どこに目を向けるか)は一定でありません。広角・首振り(PTZ)・360度カメラなどを用いることも考えられますが、いずれもカメラの向きが変わるだけですし、使い勝手が良いとも言えません。
かといってカメラの位置を会議中に手で動かすのはあまりにも挙動不審でしょう。でも画面上での相手の位置に応じてカメラの位置を動かせば良いのだということで、カメラを左右に動かす機構(スライダー)を導入してみました。
オンラインショッピングサイトで調べると撮影用のカメラ台としてスライダ-式のものが販売されていました。リモコンで制御できます。ですが少し高価なことと、最初は手動制御でもいずれは自動制御にしたい(PCと接続できる必要が出てくる)こと。それに私の担当する電気電子工学実験Iで1軸スライダーを使っているのだからその内容を活かしたいので自作しました。作るのは楽しいですし、今後の実験内容拡充にもたぶん役立ちます。
早速その完成した動作の様子をご覧ください。
ぎりぎり映り込まない位置に置いた手元のスイッチで左右に動かしています。
電気電子工学実験I 電子制御テーマではボールネジを用いた完成品の1軸のスライダーを使っていますが、ほぼ同じ構成ですがベルト駆動のスライダーを自作しました。ボールネジだと音が大きいので、ベルト駆動で静音化を図るためです。結果として価格は少し抑えられましたが、選んだモーターが必要以上に大きすぎたので静かになったとは言えないのですが、音声フィルターで抑えられるはずと期待します。
ステッピングモーターを駆動するドライバーにArduinoマイコン(Uno)を接続して方向・パルス制御しています。このあたりの構成は実験とまったく同じです。マイコンにボタンを2つつないで左右に動かす指令入力にしています。
この試みはいわばこの夏休みの自由研究のようになりました。次はこれを自動制御したいところです。視線の向きを検出し、カメラの位置を制御すれば良いはずです。