センシング技術活用研究室(天野直紀研究室)では、沖縄の建設コンサルティング企業である株式会社 南伸様と共同研究を開始しました。
崩落・倒壊などの危険のある斜面・崖、電柱といったインフラについて、広域の監視システムを構築し、得られるデータを用いて危険を予測します。第1段階として、直近の危険を予測して警告を行うことと、整備計画に必要となる情報を提供することを目指しています。
キーワード的にいえば、IoT、センサーネットワーク、エネルギーハーベスティング(エネルギーの地産地消)、機械学習いった最新技術を用いた観測・予測システムの構築となります。
もともとこのような事柄について考えていたところに、南伸様からちょうど似たようなお話がありました。そのためか、相互の理解も速やかで、たいへん短期間で合意に至りました。先日は八王子までお越しいただいて、試作した計測装置をご覧いただき、計画の妥当性や将来性を話し合わせていただきました。いろいろと展望や夢もありますが、まずは第1段階の内容として、観測装置の実現と試験運用を通じた各種のデータを得ることを着実に実行することに注力します。
この研究では、対象によらずに利用できるような汎用性があり、安価な計測装置を開発し、今回の試験対象以外にも幅広い監視対象を同一プラットフォームで監視できるような試みを考えています。一方で装置に依存せず、また計測範囲が拡大してもシームレスに扱えるようなデータ分析・予測システムを実現することとします。
この試みは、人の安全・安心を確保しつつ、効率的に社会インフラの維持を行うといった意味でサステイナブル社会の実現を目指す一環でもあります。進捗については適宜、報告していきますので、電気電子工学科ブログをご参照ください。
先日、私の前会社の後輩が、IPADを使った地図システムの会社を立ち上げていて、沖縄に来ました。後輩に本システムのことを話ましたら、そのような、監視システムをJRが考えて、その会議に同席したとのことでした。その時は、無線の会社、コンピュータ会社、計測会社が来ていて、各々の言い分を集約するととんでもなく高価なシステムとあることが予想され断念した様子だったようです。
JRもがんばりたいですね。